白髪防止対策にセサミン

ゴマ由来の栄養素セサミンは、肝機能の回復やガン予防など数多くの効能で知られる栄養素ですが、白髪の防止にも効果があることが分かっています。セサミンの白髪を防止する効果について見てみましょう。

どうして白髪になるのか

毛髪の色はメラニンという色素によって決まっており、このメラニン色素の分泌を行う細胞・メラノサイトは、髪の毛の毛包の基部(ねもと)にある幹細胞によって作り出されます。この幹細胞が、加齢などの要因で死滅し、メラニンが分泌されなくなると、髪の色素が無くなります。髪は、メラニンが産生されなくなった後も伸び続けますので、少しずつ色素の薄い髪となっていき、やがて白髪となります。

ここで「幹細胞」という言葉が出ていますが、この幹細胞には、毛髪を伸ばす「毛髪自体の」幹細胞とメラノサイトを産生する幹細胞の2種類があります。黒い毛髪をキープするには、この2種類の幹細胞をどちらも維持しなければなりません。

日光を浴びた時や、強いストレスを感じた時に、人体では有害な活性酸素という物質が発生します。活性酸素は周囲の細胞を破壊し、その機能を止めてしまったり、ガン細胞化したりするため、老化現象の原因であるとも言われています。この活性酸素が、毛包の幹細胞やメラノサイトを破壊し、メラニン色素の産生を止めてしまうことが白髪の主要因なのです。

セサミンが白髪を防ぐ仕組み

先ほども述べたように、活性酸素によって幹細胞やメラノサイトが破壊され、髪の色素が産生されなくなるのが、白髪の主な要因でした。実はセサミンには、この活性酸素を除去して、細胞の破壊を止める働き(抗酸化作用)があります。この抗酸化作用によって、活性酸素を除去し、幹細胞やメラノサイトの破壊を止める、すなわち白髪になるのを防ぐことが可能です。

セサミンには、白髪予防以外にも、シミ・しわ予防やガン予防、高血圧予防などの効能がありますが、これらもみな抗酸化作用によるものです。

セサミンの白髪防止効果を高めるには

セサミンは抗酸化作用によって、白髪を予防してくれますが、この効果をより高めるにはどのようにすればよいでしょうか?

まず第一に、「活性酸素を生み出す生活習慣を避ける」ということが挙げられるでしょう。活性酸素は体内の酸素が、ふとしたきっかけで人体に有害な物質に変化したものです。この変化を引き起こす代表的なものに

・紫外線
・タバコ
・過度の飲酒
・強いストレス
・化学薬品
・過度の食品添加物
・激しい運動

などがあります。特に、紫外線を浴びた頭皮で発生する活性酸素によって、白髪になってしまいますから、外出時には帽子をかぶったり、UVカットクリームを塗ったりするなどして、しっかりと紫外線対策をするようにしましょう。

紫外線以外の項目もできるだけ避けるようにしましょう。セサミンは肝臓から吸収されて、全身に運ばれますので、その経路で遭遇した活性酸素と次々に反応して、これを除去していきます。体内で発生した活性酸素の量が多ければ多いほど、セサミンが頭皮の毛包にたどり着くまでに、消費されてしまうことになります。体内の活性酸素の発生量全体を抑えることで、摂取したセサミンを、効率よく白髪対策に充てられるようにしましょう。

同様の理由から、高脂質・高カロリーの食事も避ける必要があります。高脂質・高カロリーの食生活をしていると、余分な脂質が体内に蓄えられることになります。これらの余分な脂質は、活性酸素と反応して「過酸化脂質」となり、活性酸素と同様に周囲の細胞や組織を傷つけてしまいます。これらの過酸化脂質が多く存在する状態では、セサミンは過酸化脂質の除去にも使われてしまい、白髪対策に充てられなくなってしまいます。

また、髪の色を生み出すメラノサイトの活動を活発にする物質や色素の原料となる物質を食事やサプリメントを通して摂ることで、セサミンによる白髪予防効果を強力にサポートすることができます。そのような栄養素として、次のようなものがあります。

・ヨード(ヨウ素)...髪の成長を促し、メラノサイトの活動を活発にします
・チロシン...メラニン色素の材料となります
・銅...メラノサイトの活動をサポートします

ヨードはワカメやコンブ、ひじきといった海藻、イワシやサバなどの青魚、卵などに多く含まれています。

チロシンはアミノ酸の一種で、チーズや牛乳などの乳製品、リンゴやバナナなどの果物、アーモンドや大豆などの豆・ナッツ類に多く含まれています。

メラニン色素の材料となるのはチロシンですが、チロシンからメラニン色素を作る過程で、チロシナーゼという酵素が必要になります。このチロシナーゼを活性化してくれるのが銅です。銅は、イカや海老、シャコなどの魚介類、レバーなどに多く含まれています。

黒い髪を維持する有効な方法というのは他にもあります。睡眠時間の乱れは髪に現れますから、夜は夜更かしをせず、しっかりと眠るようにしましょう。睡眠時間をしっかりと取ることで、メラニン色素の分泌が正常に行われ、黒々とした髪をキープできます。

また、頭皮の血行も白髪対策には重要です。頭皮に十分に血が行きわたり、新陳代謝が適切に行われなければ、幹細胞やメラノサイトの活動が低下してしまいます。入浴や頭皮マッサージなどで、血行を良くするように心がけましょう。

まとめ

髪の根元・毛包にあるメラノサイトという細胞が分泌するメラニン色素が、髪の毛の色を構成しています。酸素が体内で変化した有害な活性酸素は、周囲の細胞を傷つけ、組織の機能を損なったり、ガン細胞化したりしますが、白髪にもこの活性酸素が深くかかわっています。紫外線を浴びた頭皮で発生した活性酸素は、メラノサイトやそれを生み出す幹細胞を傷つけ、メラニン色素の分泌を止めてしまいます。すると、次第に色素の薄い髪となり、ついには白髪となってしまうのです。

ゴマの栄養素セサミンには、活性酸素を除去し、細胞や組織の破壊を防ぐ「抗酸化作用」という働きがあります。そのため、頭皮で発生した活性酸素を除去し、メラノサイトや幹細胞の破壊を防いでくれます。セサミンの白髪予防は、このような形で行われます。

このようなセサミンの白髪予防の効果をより高めるためには、活性酸素を生み出す生活習慣をなるべく避ける必要があります。紫外線やタバコ、過度のアルコール、強いストレスなどは、活性酸素の原因となりますから避けるようにしましょう。

セサミンの白髪予防の効果を高めるには、髪の発育を助ける栄養素を摂ったり、髪に良い生活習慣をつけるという方法もあります。髪の発育を助け、白髪を防ぐ栄養素には、ヨード、チロシン、銅などがあります。また、睡眠を夜間にしっかりと取ること、入浴・頭皮マッサージなどで、頭皮の血行を良くすることも白髪予防には有効です。

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