セサミンの血行促進効果

抗酸化作用や肝臓の機能向上で知られているゴマ由来の栄養素セサミンには、血行を促進させる効果もあります。セサミンの血行促進効果について見ていきましょう。

血行が悪くなるのはなぜ?

血行が悪い状態、いわゆる「血液がどろどろの状態」とは血液にコレステロール(LDLコレステロール)や中性脂肪が溜まっている高脂血症(脂質異常症)や、その予備軍のことです。高脂血症の原因としては食べ過ぎ・飲みすぎや運動不足、肥満などが挙げられます。

セサミンには肝臓の代謝機能を向上させる働きがあります。この肝臓の代謝機能というのは主に「アルコールの分解」と「脂肪の分解」であり、血行促進に関しては「脂肪の分解」がカギとなります。

人体で脂肪の分解を行っているのは肝臓ですが、肝臓の能力を超えて脂肪を取ってしまった場合、分解できなかった分の脂肪分は、コレステロールや中性脂肪として血液中に溜まっていってしまいます。こうして血行が悪くなって行きます。

肝臓の脂肪分解能力を超える量の脂肪を取った場合以外にも、血液中の中性脂肪やコレステロールが多くなる場合があります。肝臓で発生する活性酸素によって生み出された過酸化脂質が増えて肝臓の機能が著しく低下するのが脂肪肝です。この場合にも脂肪が分解されないため、血液中の中性脂肪、コレステロールが増えてしまい血行が悪くなります。

セサミンが血行を促進するしくみ

肝臓内の脂肪を分解する役割を持つ酵素の働きを、セサミンが促進することで、肝臓の脂肪分解能力が向上します。これによって血行が悪い原因であった血液中のコレステロールや中性脂肪の量が減り、血行が改善するのです。

セサミンの抗酸化作用は主に肝臓で発揮され、脂肪肝を改善させる働きがあります。脂肪肝が改善すると、元のように脂肪分解が出来るようになるので、血液中の中性脂肪やコレステロールは減り、血行も改善します。

また女性の場合の話ですが、セサミンには女性ホルモンエストロゲンの働きと似た働きをする効果もあります。エストロゲンには女性の生殖機能以外にも全身の血行を整える役割があります。中年以降、女性にはエストロゲンが不足してしまうために冷え性やむくみ、更年期障害などが起こりますが、セサミンを摂取することで血行を促進し、これらを抑えることが出来ます。

セサミンの血行促進効果にはどんなメリットがある?

血行が滞ってしまうことで起こる症状としては以下のようなものがあります。

・冷え性
・肩こり
・肌荒れ
・頭痛
・慢性的な疲労
・高血圧
・生理痛

この中でも高血圧は脳出血、脳梗塞、心筋梗塞などの合併症の原因ともなりますので大変危険です。セサミンを摂取することによる血行促進でこれだけの症状を改善・予防できるのですね。

また、血行が悪い原因となるコレステロールや中性脂肪は、血管に取り込まれて動脈硬化の原因ともなります。動脈硬化になると高血圧を引き起こし、脳梗塞や心筋梗塞のリスクは跳ね上がってしまいます。ですのでセサミンで血行促進をはかることは、動脈硬化や他の心臓血管系の病気を予防することにもつながるのです。

血行促進のためにセサミンを摂取する際のポイント

セサミンの1日あたりの摂取目安量は10mg程度です。この量を満たすためにはゴマなら10g、ゴマ油なら2g程度を摂る必要がありますが、ゴマやゴマ油は高脂質・高カロリーですので、食事全体の栄養バランスに気をつけなければせっかくセサミンを摂取しても焼け石に水となってしまいます。

サプリメントならばカロリーや脂質を気にすることなくセサミンを摂取することが出来ます。セサミンのサプリメントにはセサミン以外の栄養素も含まれている場合が一般的です。セサミン同様、血行促進や心臓血管系の病気に効果がある栄養素はビタミンEやDHA、EPA、ナットウキナーゼなどです。サプリメントを選ぶ時の参考にしてみて下さい。

まとめ

セサミンの数ある効果の一つに血行促進があります。脂肪を分解する肝臓の能力を超えた量の脂肪を取ってしまったり、脂肪肝になって肝臓の能力が落ちてしまったりした時に、コレステロールや中性脂肪が血液中に多くなり、血行が悪くなります。セサミンは肝臓の脂肪分解能力を回復させ、脂肪肝を治すため、血液中の中性脂肪やコレステロールが減り、血行が良くなります。血行が良くなることで高血圧や心臓血管系の病気、肩こりや冷え性など様々な病気や症状を予防することが出来ます。また、血行が悪い原因であるコレステロールや中性脂肪をセサミンで減らすことによって動脈硬化も予防することが出来ます。肝臓を通した血行促進以外では、セサミンは女性ホルモンの代わりをする働きもあり、女性の血行を良くする効果もあります。セサミンのサプリメントの中にはセサミン同様、血行促進に役立つ栄養素であるビタミンEやDHA、EPA、ナットウキナーゼなどが一緒に配合されているものもあるので、相乗効果が期待出来ます。

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