セサミンとセサミノール

抗酸化作用や肝機能の向上など様々な効能を持つセサミンには、同じゴマ由来の成分のセサミノールという仲間がいます。一般的にはサプリメントなどでセサミンが有名ですが、セサミノールにも様々な効能があるのです。そんなセサミンとセサミノールの共通点・相違点などをご紹介します。

セサミノールとは

ゴマにはセサミン以外にも、抗酸化作用を始めとする様々な効用を持つ栄養素があり、それらの総称をゴマリグナンと言います。その中でもセサミンの他に代表的なものがセサミノールです。

セサミノールはゴマ自体にはあまり含まれておりませんが、ゴマ油(焙煎前の白いゴマ油)に多く含まれています。なぜゴマ油の方が多く含んでいるのかと言いますと、ゴマに含まれているセサモリン(これもゴマリグナンです)という栄養素が、ゴマ油をつくる過程で変化してセサミノールになるからなのです。

ゴマ油が他の種類の油に比べて長持ちする(酸化されにくい)のは、ゴマ油に多く含まれているセサミノールが強い抗酸化作用を持つためと考えられています。

セサミノールそのものはゴマにはほとんど含まれていないのですが、セサミノール配糖体と呼ばれるセサミノールと糖が結合した化合物が、ゴマには大量に含まれています。このセサミノール配糖体は腸管の腸内細菌によってセサミノールに変換されて吸収されます。つまり、ゴマを食べても結局はセサミノールを摂取することが出来るわけです。

セサミノールの効能

セサミノールもセサミンと同じく強い抗酸化作用を持ち、特に動脈硬化の原因となるコレステロール、中性脂肪の血中濃度を下げる働きや、活性酸素が中性脂肪やコレステロールと結びつき酸化するのを防ぐ働きがあります。

抗酸化作用による効果としては他にも
・脂肪肝の改善・予防
・がん予防
・うつ病予防
・シミの改善・予防
などがあります。

セサミノールには抗酸化作用以外にも、セサミンと同じように肝臓機能を向上させる働きもあります。

セサミンとセサミノールの共通点

セサミンとセサミノールの共通点としてはまず、どちらも共に強い抗酸化作用を持っている点が挙げられます。そして先ほど述べた抗酸化作用による病気の予防効果などもほとんど同じと言ってもよいぐらい似通ってます。

また、水に溶けにくいセサミンの吸収は、肝臓の門脈を通じて行われますが、セサミノールも水に溶けにくいため、吸収は門脈を通じて行われます。

セサミンとセサミノールの相違点

セサミンとセサミノールの相違点ですが、まず第一に、セサミンはゴマに多く含まれているのに対して、セサミノールはゴマにはほとんど含まれておらず、ゴマ油に多く含まれているという点が挙げられます。

また、セサミンとセサミノールは共に強い抗酸化作用を持ちますが、セサミンは主に肝臓で活躍して脂肪肝を改善・予防したり、肝機能を向上したりするのに対して、セサミノールは全身を巡り、動脈硬化の原因となる中性脂肪やコレステロールの酸化を防止する役割がメインです。
このことから抗酸化作用を発揮する場所が違うと言えます。
ですがこれはメインの活躍の場が違うだけで、セサミンにも動脈硬化予防効果はありますし、セサミノールにも脂肪肝に対する効果はあります。

まとめ

セサミノールはセサミンと同じくゴマ由来の栄養素で、強い抗酸化作用を持っています。焙煎前のゴマ油(白色のゴマ油)に多く含まれている成分であり、動脈硬化の予防に特に効果を発揮する栄養素です。
セサミノールはゴマにはほとんど含まれておらず、ゴマ油に多く含まれます。これはセサモリンというゴマの栄養素が、ゴマ油を作る過程でセサミノールに変化するからです。セサミノールはゴマ自体にはセサミノールとしてではなくセサミノール配糖体という糖と結合した化合物の形で含まれており、腸を通して吸収されます。
セサミノールもセサミン同様、強い抗酸化作用を示し、動脈硬化の予防を中心に、肝臓機能の向上、脂肪肝の改善、がん予防、うつ病予防、シミの予防・改善などに効果が期待出来ます。
セサミンとセサミノールの共通点は、共に水に溶けにくく門脈を通じて吸収されることや、抗酸化作用による病気の予防効果です。
それに対してセサミンとセサミノールの相違点は、ゴマに含まれている割合や、抗酸化作用を発揮するメインの場が異なることなどが挙げられます。

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