犬の健康にもセサミン

ゴマの栄養成分セサミンは、肝機能の向上やガン予防、うつ病予防など様々な効能で、注目を集めている栄養素です。そのセサミンを、飼い犬の健康に役立てたいという方もいらっしゃるかと思います。セサミンが、人だけでなく犬にも効果があるのか、詳しく見てみましょう。

犬にセサミンは効くの?

人が二足歩行で、体毛が薄いのに対し、犬は四足歩行で、体毛がびっしりと体中を覆っているなど、見た目はずいぶん異なりますが、共に哺乳類であるため、体内の臓器の種類や配置、しくみなどは驚くほど似ています。人間用の医薬品の研究に、マウスや豚、犬などの哺乳類を用いるのは、体重が違うだけで、他の体の仕組みについては、似通っているからなのです。そのため、一部を除き、人間に効果のある栄養素は、犬にも効果があると言えます。

消化酵素や必須アミノ酸は、人と犬とは異なる点がありますから、飼い犬の食事を、人と同じような材料で作るわけにはいきません。しかし、セサミンは単体の栄養素ですから、犬が摂っても、人と同じような効果を期待することができ、安全性にも問題はありません。

セサミンの効能の中で、犬にも効果があると思われるものは、次のようなものです。

・ガン(特に肝臓ガン)の予防
・肝臓の代謝機能の向上(糖質・タンパク質・脂質・毒物など)
・血中のLDLコレステロール値・中性脂肪値を下げる
・全身の血行を良くし、動脈硬化・高血圧を予防する
・老化現象の進行を遅らせる

肝臓は、胃や腸で吸収した糖質・タンパク質・脂質などを代謝(分解・合成)する臓器で、化学反応が活発に行われるため、生体に有害な活性酸素が大量に発生します。代謝活動の際に、酸素が時折変化して、活性酸素となるのですが、この活性酸素は周囲の細胞や組織を傷つけ、ガン細胞化や機能を喪失させる厄介な存在です。肝臓で発生した活性酸素は、肝臓ガンの原因となるのですが、セサミンは、肝臓から吸収されて、肝臓の活性酸素を除去してくれるため、肝臓ガンの予防に効果があります。

このように、セサミンが活性酸素を除去してくれる効果を、「抗酸化作用」と言います。肝臓で吸収されたセサミンは、やがて血液を通して、全身に行き渡ります。そして、その過程で遭遇した活性酸素を次々に除去してくれます。活性酸素はガンや老化現象(シミ・しわ・たるみなど)、動脈硬化、高血圧などの原因となりますから、セサミンが、それらを防いでくれるのです。

またセサミンは、肝臓の代謝活動を活発にしてくれるので、食べた栄養をしっかりと身体に取り入れることができますし、全身の新陳代謝・血行も良くなるので、体調が整います。そして、血中の中性脂肪値・LDLコレステロール値を下げるので、肥満や動脈硬化、それらによって引き起こされる高血圧・重篤な心疾患(心筋梗塞・脳梗塞など)を予防することができます。

犬にセサミンを与えるには

セサミンを犬に与える際には、(1)犬用サプリメント/ペット用サプリメント(2)ゴマを使ったごはん、の2種類の方法があります。

(1) 犬用サプリメント/ペット用サプリメント

犬用サプリメントとして、カルシウムやDHAと並んでセサミンは人気の商品の一つです。1日あたりの規定量通りに与えれば良いので、簡単にセサミンを摂らせることができます。小型犬、中型犬で1日1粒、大型犬で1日2粒となっている製品が一般的です。

(2) ゴマを使った料理

ゴマを使った料理を作ってあげるという方法もあります。ゴマはそのままでは殻が硬く、セサミンを吸収することが難しいので、すりつぶして料理に混ぜるのが良いでしょう。犬用サプリメントが想定している、セサミンの1日あたりの摂取目安量は、小型犬・中型犬で1.5~2.0mg、大型犬で3.0~4.0mg程度です。セサミンは、ゴマに1~数%程度含まれていますので、小型犬・中型犬には1.5~2.0g(すりゴマ小さじ2/3)、大型犬には3.0~4.0g(すりゴマ小さじ1+1/3)程度のゴマを与えるようにすると良いでしょう。

犬にセサミンを与える際の注意点

犬にセサミンを与える際には、どのようなことに注意するべきなのでしょうか?

まずサプリメントを与える場合は、決められた用量をしっかり守るということです。いくら健康に良い栄養素だからと言って、サプリメントを与えすぎては、消化に悪いです。そして、サプリメントは飲むことによって体調を劇的に改善させる医薬品ではありません。あくまでも、毎日継続して摂ることによって、身体の調子を整えてくれるものですから、忘れずに与えるようにしましょう。

ゴマを食事に入れて与える場合には、ゴマのカロリー・脂質に気をつける必要があります。ゴマにはカロリーと脂質、さらに食物繊維が豊富に含まれているため、必要量以上に犬に与えてしまうと、肥満や体調不良につながってしまいます。また、ゴマに合う食材を優先させるあまり、犬に与えてはいけない食材を使ってしまうリスクも避けなければなりません。つい、人間の料理目線でゴマと合わせてしまいそうになる食材として、ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニクなどがあります。これらは犬にとって大変危険な食材ですから、気をつけるようにしましょう。

まとめ

様々な健康問題に効果があるセサミンは、人だけでなく犬の健康にも効果があります。犬に対し、セサミンが発揮する効能としては、ガン予防、肝機能の向上、血中のLDLコレステロール値の低下、動脈硬化・高血圧の予防、老化現象の予防などがあります。

犬にセサミンを与える方法には(1)犬用サプリメント(2)ゴマを使った料理、の2通りがあります。犬用サプリメントは、毎日の規定量を守ることが大切ですし、ゴマを使った料理の場合は、吸収効率が良いすりゴマにすること、ネギやニンニクといった犬に危険な食材と一緒にしないことに気をつける必要があります。

引用元
セサミンはペットにもいいの?
http://www.loxsystem.com/pet.html

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