セサミンとEPA

セサミンはゴマに含まれている成分として有名で、老化を防ぐ「抗酸化作用」や、肝臓のアルコール・脂質の分解促進、全身の新陳代謝の増進、がんの予防など様々な効能を持つ万能栄養素です。

一方EPAは青魚に多く含まれている脂肪酸で「魚を食べると頭が良くなる」というブームにもなった栄養素です。EPAはセサミンとよくミックスされてサプリメントとして販売されていますが、それには理由があるのでしょうか? セサミンとEPAの特徴や共通点を見てみましょう。

EPAとは

EPAとは「エイコサペンタエン酸」の略称で、アジやサバ、イワシなどの青魚に多く含まれています。人体に必要だけれども体内でつくることが出来ない脂肪酸「必須脂肪酸」の一種です。EPAと同様、青魚に多く含まれている必須脂肪酸として似たような栄養素にDHA(ドコサヘキサエン酸)があり、こちらもサプリメントによく利用されています。

EPAの効能

(1) 心臓血管系の疾患予防
EPAの効能として一番重要なものは炎症を抑え、動脈硬化を抑制するものです。北極地方に暮らすイヌイットの人々は野菜をほとんど食べず、アザラシなどの肉が主食であるにも関わらず、肉食文化の欧米人に比べて心筋梗塞などの心臓血管系の疾患で亡くなる人の割合は非常に少ないのです。調査をしたところ、イヌイットの人々の主食であるアザラシはエサの青魚のEPAを体内に蓄えており、それを食べたイヌイットの人々の体内にもEPAが蓄積されて動脈硬化が抑えられた結果、心臓血管系の疾患で亡くなる人が非常に少ないことが分かりました。

EPAの効能は動脈硬化を抑制すること以外にも豊富です。
血液をサラサラにして血栓が出来にくいようにしたり、高脂血症を予防したりする働きがあり、その結果、心筋梗塞や脳梗塞を防いでくれます。
こうして見てみると、EPAは心臓血管系の疾患を予防する上で、絶大な効果を発揮することが分かりますね。

(2) 脳細胞関連の疾患予防
また、EPAは脳細胞を構成する材料でもあります。昔は脳細胞は生まれてから増殖することは無く、減少していく一方だとされてきましたが、近年の研究でそれは覆り、脳の一部の領域では盛んに細胞分裂が繰り返されて脳細胞が増えていることが分かりました。EPAはその脳細胞の材料ですから「魚を食べると頭が良くなる」と注目されることになりました。EPAは血管への効果だけでなく脳細胞の材料であるということで脳細胞が関連する病気、具体的には脳血管型の認知症やうつ病の治療に役立つとされています。

EPAとセサミンの共通点・相違点

(1)共通点
セサミンの効能は、抗酸化作用や肝臓の代謝機能促進がメインです。
一方EPAは心臓血管系の疾患を予防したり、脳細胞の材料として脳細胞関連の疾患の治療・予防に役立ったりするわけですから、あまり活躍の領域は被ってはいないと言えます。セサミンは全身の新陳代謝を活発にすることで生活習慣病の改善や痩身、冷え性に効果がありますが、かろうじてそれがEPAの領域である血液や心臓血管系に被っているぐらいでしょうか。

(2)相違点
セサミンに劣らず大活躍の栄養素であるEPAですが、セサミンが過剰摂取・医薬品との併用でも副作用無しの、非常に安全な栄養素であるのに対して、EPAは1日あたりの摂取量1~3g(日本は1g、アメリカでは3g)を必ず守る必要があります。3g以上摂取した場合、下痢や鼻血、吐き気といった症状が出てしまいます。また、EPAの持つ血液をサラサラにする効果は絶大なため、血液凝固阻止剤を使用している人がEPAを摂取すると血液がサラサラになりすぎて出血しても血が止まらない事態になってしまいます。

EPAとセサミンを摂るメリット

セサミンとEPAはそれぞれかなり強烈な効果を発揮してくれる栄養素ですから、サプリメントの配合の組み合わせとして人気があります。EPAとセサミンが配合されたサプリメントは、EPAの持つ、心臓血管系の疾患の予防効果や脳細胞関連の疾患の予防効果と、セサミンの持つ抗酸化作用、肝臓の代謝機能促進、ガン予防、全身の新陳代謝向上などの効果を期待出来ますから、全身の健康をかなりサポートしてくれるサプリメントと言えます。

中でも注目すべきポイントは現代人の死因の第1位であるガン、第2位の心疾患、現代病として増加中のうつ病・認知症といったメジャーな疾患を予防する効果があることです。
それだけでなく、現代人と切り離せないアルコール・高脂質の食事でダメージを受けた肝臓の機能を回復させる効果もあります。

つまりEPAとセサミン配合のサプリメントはどんな人でも必ずお世話になるサプリメントであると言えるでしょう。体に蓄積されてきた病気の元が一気に現れ始める中高年はもちろんのこと、若い人でも連日飲み会続きの人や、マタニティーブルーに悩むお母さんにもオススメのサプリメントです。

まとめ

青魚に含まれているEPAは人体では脳細胞の材料という必要不可欠な栄養素ですが、人体で作り出すことは出来ないため食事やサプリメントを通して摂取する必要があります。EPAには血液をサラサラにしたり動脈硬化を抑えたりすることで心臓血管系の疾患を予防する効果と脳細胞関連の疾患を予防する効果があります。
セサミンとEPAが配合されたサプリメントはガン、心疾患、うつ病、認知症などの誰もが発症しうるメジャーな疾患を予防する効果がある上に、現代人の食生活で荒れた肝臓の機能を回復させる効果もありますから、若者から中高年まで誰にでもオススメ出来るサプリメントです。

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