セサミンの老化防止効果

ゴマに多く含まれているセサミンは、肝臓機能の向上やガン予防、シミ改善など多くの効能がある栄養素です。そのセサミンには、実は老化防止効果もあるのです。セサミンの老化防止効果について見ていきましょう。

老化とは?

生きる上で酸素は必要不可欠な物質ですが、一部の酸素は活性酸素となって周囲の組織や細胞と反応して、これらを破壊してしまいます。また、活性酸素と反応して酸化された脂質も過酸化脂質として、周囲の組織や細胞にダメージを与えます。

ヒトを始めとしてほとんど全ての生物に起きる現象が「老化」です。老化は皮膚のたるみやシワ、運動能力や認知機能の低下など様々な変化・機能低下が合わさったものであり、老化自体の原因には諸説あります。

様々な原因が考えられている中で、有力視されているのが「活性酸素説」です。生物が生きていくために行う代謝活動に伴い発生した活性酸素により身体の各部分がダメージを蓄積し、それが老化につながるという説です。代謝率が高い、活性酸素の発生量の多い生物ほど短命であることから考えられました。

また、老化に関する説の中にプログラム説(あらかじめ細胞の分裂回数から寿命が決まっているとする説)という活性酸素説と並び有力視されるものがありますが、こちらの説でも細胞分裂回数を制限しているテロメアという物質に活性酸素が大きく関わっているとされています。こうしてみると活性酸素が老化のカギを握っていると見て間違いなさそうですね。

老化の具体的な現象と活性酸素を見てみましょう。

(1)皮膚の老化現象
紫外線を浴びることで発生した活性酸素は、皮膚の保護のためにメラニンを産生するメラニン産生細胞を破壊します。その結果、メラニンが過剰に産生されてシミやソバカスとなります。また、表皮が紫外線で受けたダメージを修復する機能も、活性酸素により破壊されてしまいます。

さらに、真皮の線維芽細胞も活性酸素は破壊するため、皮膚の弾力に関わっているコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の分泌量が減少しますし、コラーゲンも活性酸素によって変性し、肌は弾力を失ってしまいます。こうしてシワやたるみが形成されます。

(2)血管の老化現象
血液中の中性脂肪、LDLコレステロールが活性酸素によって酸化された過酸化脂質は、血管に付着して動脈硬化の原因となります。その結果、心肺機能が低下し、脳梗塞や心筋梗塞などの疾患を発症してしまいます。

(3)肝機能の低下
代謝活動を行う肝臓では、人体の活性酸素の約8割が発生します。肝臓で発生した活性酸素や、脂質が活性酸素に酸化された過酸化脂質が肝細胞を破壊して、肝臓の機能は加齢と共に落ちていきます。

低下した肝臓の機能が処理しきれないぐらいの脂肪を摂取した場合、分解されなかった脂肪が肝臓内に溜まって「脂肪肝」となります。脂肪肝は中年以降に多く見られる症状ですが、悪化すると肝硬変や肝臓ガンとなり大変危険なものです。

セサミンの老化防止のしくみ

セサミンは活性酸素や過酸化脂質と反応して、これらを無効化する性質があり、これを「抗酸化作用」と呼びます。セサミンの持つガン予防、脂肪肝の改善・予防、うつ病予防・改善などの効能は、この抗酸化作用によるものがほとんどです。

では、セサミンの抗酸化作用が老化の具体的な現象に対してどのように働くのかを見てみましょう。

(1)皮膚の老化現象の改善
セサミンは肝臓で吸収された後、血液を通して全身に広がっていきます。皮膚に到達したセサミンは、活性酸素・過酸化脂質を除去していくので、それらによるメラニン産生細胞や線維芽細胞、コラーゲンなどの破壊・変性が止まり、皮膚の新陳代謝と共にシミやソバカス、肌荒れ、肌のたるみ、シワといったトラブルは改善していきます。

(2)血管の老化現象の予防・改善
血液中のセサミンは、活性酸素や過酸化脂質と出会う度に、これを除去していきます。また、血液中の中性脂肪・LDLコレステロールを減らす働きもセサミンにはありますので、セサミンを飲むことで血管が老化するリスクを減らすことが出来ます。一度、動脈硬化を起こしてしまった箇所も、血液中のLDLコレステロールが少ない状態を保つことで元の健康的な状態に戻ります。

(3)肝臓の老化現象の改善
セサミンは水に溶けにくいため、胃腸ではなく肝臓の門脈から吸収されます。その結果、セサミンは他の栄養素と違い肝臓をメインに抗酸化作用を発揮します。肝臓の代謝活動に伴い絶えず発生する活性酸素を、セサミンは片っ端から除去していきます。その結果、肝臓の機能は少しずつ回復していくのです。

また、セサミンの持つ肝臓の脂肪代謝促進効果、抗酸化作用により、脂肪肝も改善・予防することが出来ます。上でも述べたように、人体で発生する活性酸素の8割が肝臓で生じていますから、セサミンはまさに肝臓の救世主と呼べるでしょう。セサミンを摂取することで肝臓を若い時の状態に回復させることが出来るのです。

セサミンの老化防止効果を高めるには

ここまで見てきたように、セサミンは身体の各部分に現れる老化現象を抑制したり、低下した機能を回復させたりします。セサミンの老化防止機能を高めるために次のポイントに気をつけましょう。

(1)活性酸素を発生させる習慣を止める
日常を過ごす中で自然と発生してしまう活性酸素ですが、活性酸素を生み出しやすい習慣というものもあります。
紫外線を浴びたり、激しい運動をしたりすることは活性酸素を過剰に生み出してしまいます。また、タバコやストレス、医薬品、食品添加物、殺虫剤なども活性酸素の過剰発生の原因となります。

いくらセサミンを摂取したところで、活性酸素が過剰に発生するような生活をしていれば、焼け石に水となってしまいますので、上記の項目は避けるようにしましょう。

(2)高脂質・高カロリーな食事を控える
「血管の老化」で見たように、体内に脂質が多く存在しているとその分、活性酸素に酸化された過酸化脂質が発生しやすくなります。そうなるとセサミンを摂取しても、過酸化脂質の除去に大半が使われてしまい、肝心の老化防止がおろそかになってしまいます。摂取したセサミンが効率良く老化防止に機能するように、食生活のバランスには気をつけましょう。

(3)セサミンを毎日欠かさず摂取する
老化現象に対するセサミンの効果は、活性酸素を除去することでまずは症状の進行を抑え、その状態をキープするうちにダメージを受けた箇所は新陳代謝で新しい細胞に置き換わるというしくみによるものです。ですので、セサミンを毎日継続して摂取しなければ、症状の進行を抑えることが出来ず、充分な老化防止効果を望むことは出来ません。セサミンを毎日摂取する習慣を付けるようにしましょう。

(4)サプリメントの組み合わせに注意する
サプリメントは手軽にセサミンを摂取することが出来る便利なものですが、市販品の大半はセサミン単体ではなく、他の栄養素とミックスされたものです。老化防止のためにセサミンを摂取するというのであれば、同じように老化防止に効果のある栄養素との組み合わせを選ぶことで相乗効果も期待出来ます。老化防止に効果のある栄養素としては以下のようなものがあります。参考にしてみてください。
・ビタミンC
・ビタミンE
・β-カロテン
・ポリフェノール

まとめ

ゴマの栄養素・セサミンには活性酸素を除去する「抗酸化作用」がありますが、この抗酸化作用によって老化防止に効果があるとされています。皮膚の老化現象(シミ、肌荒れ、シワ、たるみなど)、血管の老化現象(動脈硬化)、肝臓の老化現象(機能低下、脂肪肝)などについてセサミンは予防・改善してくれます。セサミンの老化防止効果を活かすために「活性酸素を発生させる習慣を止める」「高脂質・高カロリーな食事を控える」「セサミンを毎日欠かさずに摂取する」といった点に気をつけましょう。セサミン同様、老化防止効果がある栄養素にビタミンC、ビタミンEなどがありますので、それらとミックスされたサプリメントを飲むことで相乗効果も期待出来ます。

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