セサミンで更年期障害を軽減

ゴマの栄養素セサミンは、肝機能の向上やガン予防など様々な効能を持つ、人気の栄養素です。このセサミンに、更年期障害を軽減させる働きがあることをご存じでしたか?セサミンと更年期障害についてご紹介します。

更年期障害とは

女性ホルモン・エストロゲンは、女性の性機能以外にも、全身の働きを調節する、女性には欠かせない物質です。更年期障害とは、このエストロゲンの分泌量が、40代半ばから激減し、その変化に身体がついていけずに起こる、様々な身体不調の総称です。

更年期障害の症状には次のようなものがあります。

(血管系・運動神経症状)
・顔の火照り
・ホットフラッシュ(のぼせ・火照り・発汗)
・動悸
・眩暈
・異常な発汗

(精神神経症状)
・情緒不安定
・苛立ちや不安感
・抑うつ状態
・不眠
・頭が重い感覚

(その他の症状)
・腰痛や関節痛などの痛み
・吐き気
・食欲不振
・皮膚の乾燥やかゆみ
・排尿障害や頻尿
・外陰部の違和感
・性交障害

これらの症状を見れば分かるように、更年期障害の症状は、いわゆる不定愁訴(患者の訴えが主観的で多岐にわたり、客観的な所見を見つけづらいもの)がほとんどです。そのため、更年期障害は治療することが難しいとされています。

更年期障害の対症療法としては、漢方薬や向精神薬、プラセンタなどが挙げられます。また、原因療法として、ホルモン補充療法が用いられています。

更年期障害に対するセサミンの効果

更年期障害に対するセサミンの効果は、対症療法的なものと原因療法的なものの2つに分かれます。

対症療法的な効能

セサミンには、人体で発生した活性酸素(酸素が変化した有害物質で、周囲の細胞や組織を傷つけ、ガンや老化、うつ病などの原因となる)を除去する働き「抗酸化作用」があります。

うつ病の原因の一つは、強いストレスを感じた際に、自律神経周辺で発生した活性酸素が、神経細胞を傷つけ、自律神経のバランスが乱れることだと考えられています。セサミンは、抗酸化作用によって、それらの活性酸素を除去するため、うつ病を予防・改善し、精神状態を安定させます。このメカニズムによって、少なくとも活性酸素が原因の精神症状(更年期障害の情緒不安定、苛立ちや不安感、抑うつ状態など)は解消されることになります。

また、顔の火照りやホットフラッシュ、動悸や眩暈、異常な発汗などの症状も、自律神経のバランスが乱れたことによるものが多いですから、精神症状同様、解消することが出来ます。この時、セサミンの持つ、全身の血行を改善する効能もプラスに働くと考えられます。

この他にも、セサミンには肝臓の代謝機能を向上させ、栄養を効率良く吸収出来るようにする効能もありますから、食欲不振にも効果を発揮してくれます。

原因療法的な効能

先ほどご紹介したセサミンの効能は、更年期障害の各症状を軽減させる対症療法的なものでした。これらの効能によって、更年期障害の各症状は緩和されるのですが、更年期障害の原因であるエストロゲンの分泌量の減少は解決されていません。この根本的な原因から、更年期障害を軽減させるのが、セサミンの原因療法的な効能です。

セサミンは、栄養学的にはゴマリグナン類、もっと広い枠組みではポリフェノールに分類されます。ポリフェノールは、フェノール性ヒドロキシ基という構造を持つ植物成分の総称で、セサミンの他にも、カテキンやイソフラボン、アントシアニンなどの栄養素が属しています。

ポリフェノールは、エストロゲンと構造が似ているため、体内でエストロゲンとよく似た働きをしてくれます。このように、女性ホルモン・エストロゲンに似た構造・働きの植物由来の化学物質を植物エストロゲン(フィトエストロゲン)と呼び、摂取することでエストロゲンの働きをサポートしてくれると考えられています。

植物エストロゲンであるセサミンを摂ることで、減少したエストロゲンの働きを補い、更年期障害を根本的な原因から軽減させることが可能です。

更年期障害対策でセサミンを摂る際のポイント

更年期障害対策でセサミンを摂る際に、気をつけるべきことなどはあるのでしょうか?

活性酸素を生み出すもの・習慣を避ける

セサミンは、人体に有害な活性酸素と反応することで、これを除去してくれますが、その過程でセサミンもまた減っていきます。そのため、活性酸素が身体に多い状態だと、摂取したセサミンが活性酸素の除去に使われてしまい、更年期障害のために使われる量が減ってしまいます。

活性酸素を生み出すもの・習慣には次のようなものがあります。

・紫外線
・喫煙
・過度の飲酒
・化学薬品
・多量の食品添加物
・強いストレス
・激しい運動

摂ったセサミンを効率良く活かすためにも、これらの活性酸素を生み出すものや習慣を避けるようにしましょう。

更年期障害に効果のある栄養素がミックスされたサプリメントを選ぶ

市販のセサミンサプリメントの大半は、セサミン以外の栄養素もミックスされています。セサミンサプリメントを飲むのならば、セサミン同様、更年期障害に効果のある栄養素が配合されている製品を選ぶことで、セサミンとの相乗効果を期待することが出来ます。更年期障害に効果のある栄養素には、次のようなものがあります。

・ビタミンD(カルシウムの吸収を促し、骨密度の低下を抑制します)
・ビタミンK(ビタミンD同様、骨密度の低下を抑制します)
・葉酸(代謝の低下を抑制します)
・イソフラボン(骨密度低下・代謝低下の抑制の他にも、自律神経の乱れを整えます)
・カテキンやアントシアニンなどのポリフェノール類(減少したエストロゲンの代わりに働きます)

まとめ

女性ホルモンのエストロゲンは、女性の性機能以外にも、人体の様々な働きを調整している物質です。このエストロゲンの分泌量は、40代半ばから激減するのですが、この変化に身体がついていけないことで起こる、様々な症状の総称が「更年期障害」です。セサミンには、更年期障害の各症状を軽減させる対症療法的な効能と、更年期障害の原因である減少したエストロゲンの代わりをすることで根本から軽減を図る原因療法的な効能の2種類があります。セサミンの持つ抗酸化作用や肝臓の代謝機能の向上といった効能は、精神的な不安定さや自律神経の乱れから来る身体的不調、食欲不振などの症状を軽減してくれます。また、セサミンがエストロゲンの代わりに働くのは、セサミンなどのポリフェノール類がエストロゲンの構造によく似ているからです。

更年期障害対策でセサミンを摂る場合には、紫外線や過度の飲酒といった活性酸素を生み出すもの・習慣を避けることや、ビタミンDや葉酸、イソフラボンなどの更年期障害に効果のある栄養素がミックスされたセサミンサプリメントを選ぶ、ということを心に置いておいてください。

関連コラムcolumn