セサミンの摂取上限

ゴマ由来の栄養成分セサミンには、抗酸化作用や肝臓の機能向上、ガン予防、うつ病予防など様々な効能があります。これだけ効能を持つ栄養素だと摂れるだけ摂りたくなる人もいるでしょう。しかし、気になるのが摂りすぎによる副作用です。セサミンの摂取上限や、それを超えて摂った場合にどうなるか見てみましょう。

セサミンの1日あたりの摂取量

まず、セサミンの1日あたりの摂取量ですが、目安は10mgです。これをゴマから摂ろうとすると約3000粒、10g程度の量になります。小さじ4杯程度の量ですから食べられない量ではありませんが、かと言ってついうっかり食べすぎてしまう量でもなさそうです。

ゴマ油にも製品ごとに違いはありますが、1gあたり約4.9mgのセサミンが含まれているものもあり、この場合1日あたりの摂取量の目安である10mgを摂るには、ゴマ油2g程度を摂ればよいことになります。ゴマ油2gはほんの数滴垂らしたぐらいの分量ですので、こちらならば簡単に10mg摂取出来てしまいます。

また、市販されているサプリメントには大抵一粒あたり3~5mg程度のセサミンが含まれていますから、数粒呑むだけで1日あたりの摂取量を満たすことが出来ます。

セサミンを1日あたりの摂取量以上摂るとどうなる?

セサミンを、1日あたりの摂取量の目安である10mgを超えて摂取した場合はどうなるでしょう?

今のところ、セサミン単体を10mg以上服用することによる副作用の報告は見当たりません。また、医薬品との併用による副作用も報告されていないため、セサミンは非常に安全な栄養素であると言えるでしょう。

セサミンを摂取量の目安以上に摂る際の問題点

しかし、現実問題としてセサミンを摂取量の目安以上に摂ることはリスクを伴う上に効果も望めないものです。

(1)ゴマで摂る場合
ゴマでセサミンを1日あたりの摂取量の目安である10mg摂るためには、ゴマ10gを摂る必要があるのでした。実は健康食材ゴマの半分以上は脂質が占めており、同重量比では魚類や肉類よりも高カロリーな食材なのです。セサミン10mgを摂るためにはゴマ10gが必要ですが、そのカロリーは約50kcalです。ゴマからセサミンを過剰に摂ろうとするとカロリーが跳ね上がるのが想像できるかと思います。また、ゴマのタンパク質を摂りすぎることでゴマアレルギーを発症する恐れもあります。

(2)ゴマ油で摂る場合
ゴマ油はゴマの成分が抽出されている分、セサミンの含有量の効率はゴマの時よりも良いです。ゴマ油約2gでセサミン10mgを摂取可能ですが、ゴマ油自体が高カロリー・高脂質ですから、こちらも摂りすぎると栄養バランスが大いに偏ってしまうことになります。せっかく健康のためにセサミンを摂るのですから、その手段であるゴマやゴマ油で高カロリー・高脂質というリスクを取ってしまっては意味がありません。

(3)サプリメントで摂る場合
サプリメントはセサミンを抽出してあるため効率良く摂ることが出来ます。しかし、市販されているサプリメントの大半は、セサミン以外にもビタミンEやEPAといった栄養素がミックスされています。セサミン自体は過剰に摂取しても大した問題はありませんが、ミックスされているこれらの栄養素が問題無いとは限りません。 過剰に摂取したり医薬品と併用したりしても副作用が無い栄養素は、セサミンの他には数えるほどしかありません。 セサミンをサプリメントで摂取量の目安以上に摂ろうとすると、このような問題があります。 また、セサミン単体のサプリメントを過剰摂取した場合、消化不良を起こしてしまいかえってセサミンを吸収出来ないこともあります。

まとめ

ゴマ由来の天然成分セサミンは、抗酸化作用を始めとして多くの効能がある栄養素です。セサミンの1日あたりの摂取量の目安は10mgとされていますが、実はそれ以上摂取したとしても副作用の報告はありません。しかし、ゴマやゴマ油でセサミンを過剰に摂取する場合は、高カロリー・高脂質の問題があります。また、ゴマアレルギーを発症する可能性も考えられます。

一方、サプリメントだとセサミンを抽出しているため高カロリー・高脂質の問題は無くなりますが、一緒に配合されている栄養素の存在が問題となります。 セサミンのように過剰摂取や医薬品との併用による副作用が無い栄養素というのはほとんど無いため、セサミンのサプリメントを過剰摂取した場合、他の栄養素の副作用が現れてしまいます。セサミン単体のサプリメントであっても過剰摂取により、消化不良を起こしてかえってセサミンの吸収効率が下がってしまう場合があります。

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