ゴマ1粒に含まれるセサミンの量

ゴマの栄養素セサミンは、肝機能の向上や肥満防止など数多くの効能で人気があります。
このセサミンは、ゴマ1粒にどれぐらいの量が含まれているのでしょうか?ゴマ1粒に含まれるセサミンの量やサプリメントとの比較について見ていきましょう。

ゴマの品種によってセサミンの量は違う

ゴマには様々な品種があり、殻の色で黒ゴマ、白ゴマ、金ゴマに大別されます。
それぞれのゴマの特徴は、次のようになっています。

黒ゴマ・・・中国やミャンマー、タイ、ベトナムなど東南アジアが主要な産地です。
ゴマの香りが強く、白ゴマよりも油分が少ない代わりに、色素としてポリフェノールの一種アントシアニンが含まれています。

白ゴマ・・・東南アジアや中南米、北アフリカなど世界各地で栽培されており、多量の油分を含むため、甘味があるのが特徴です。
焙煎する温度によって風味が変わってきます。

金ゴマ・・・パラグアイや中近東、地中海沿岸などの地域で栽培がおこなわれています。
生産量・輸入量が少ないため、白ゴマ・黒ゴマに比べて高級なゴマとされています。

健康食品などでは「黒ゴマは他のゴマよりも豊富に栄養素を含んでいる」と紹介されることが多いですが、セサミンなどのゴマリグナン類(ゴマに固有のポリフェノール類で多くの効能を持つ)に関しては、ゴマの色によって含有量に絶対的な差があるわけではありません。
むしろ、ゴマの色よりは個別の品種によってセサミンの含有量は決まります。
つまり、黒ゴマ、白ゴマ、金ゴマそれぞれに、セサミンを多く含んだ品種もあれば、少ない量しか含んでいない品種もあるのです。
ただし、現在のところでは、セサミンを多く含む品種は、黒ゴマよりも白ゴマに多い傾向があります。
一般に、セサミンは市販のゴマの重量比1%未満しか含まれていません。
ゴマ1粒は0.003g(3mg)ですので、セサミンはゴマ1粒あたり0.03mgしか含まれていないことになります。
ゴマ自体がものすごく小さいこともありますが、セサミンがどれほど貴重なものかが分かりますね。

セサミンの量が多いゴマの見分け方

先ほど述べたように、ゴマの色によって、セサミンを多く含んでいるゴマを見分けることはできません。
それならば、どうすればよりセサミンを多く含んでいるゴマを見つけることができるのでしょうか?
市販のゴマの中には、「100gあたりセサミン○○○mg」というように、パッケージにセサミンの含有量が記載されているものもあります。
この場合、セサミンが重量比で1%以上含まれている製品を買えば、セサミンが多く含まれているゴマを買ったことになります。

実はゴマの国内自給率はわずか0.1%です。
そのため市販のゴマのほとんどは安価な海外産であり、国産ゴマは高栄養価や有機栽培などを売りにしなければ、太刀打ちできません。
国内で生産が進められている、セサミンを多量に含む品種に「ごまぞう」や「H65」といった品種があり、含有率は通常の10倍の1%に及びます。
これらを使用した製品には、「セサミン高含有品種ごまぞう使用」というような記載がされることが多いので、見つけやすいかと思います。

ゴマ油に含まれるセサミンの量

一般的な市販のゴマでは、重量比0.1%程度のセサミンが含まれており、中には重量比1%ものセサミンを含む品種もあるのでした。
では、ゴマを搾油することで作られるゴマ油には、どのぐらいのセサミンが含まれているのでしょうか?
ゴマ油には重量比約1%のセサミンが含まれています。
なぜ、炒りゴマよりもゴマ油の方が、セサミンの量が多いのかというと、ゴマ油はゴマの殻などが取り除かれた、セサミンなどの栄養素を含んだ油脂の部分だからです。
油なのでカロリーが高くはありますが、料理に使う油をゴマ油にするだけで、炒りゴマよりも効率良くセサミンを摂ることができます。

サプリメントに含まれるセサミンの量

市販のサプリメントの多くは、1日分の用量(0.8~1.0g)あたり10mgのセサミンが配合されています。
重量比1%程度という数字は、ゴマ油と同水準の含有率です。
中には、1日分の用量に20mg以上ものセサミンが配合されている製品もありますので、セサミンをより多く摂りたいという人は、サプリメントで摂るのが良いでしょう。

1日に必要なセサミンは、ゴマだけで摂れる

数多くの効能を持ったセサミンですが、実は五大栄養素(人が生きていく上で必要不可欠な5種類の栄養素;タンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラル)ではありません。
セサミンを摂ることで健康な身体にすることができますが、五大栄養素と違って、極端に言うとセサミンを摂らなくても死にはしないのです。
五大栄養素の場合は、厚生労働省やWHOといった公的な機関によって摂取推奨値や摂取上限値が定められていますが、五大栄養素でないセサミンでは、そのような数値が定められていません。
そのため、サプリメーカー各社が独自に推奨摂取量を設定しているのが現状です。
ほとんどのメーカーでは、1日当たり10mg以上のセサミンの摂取を推奨しており、販売製品もそれに準じています。

また、メーカーによっては1日当たりの用量中に20mg以上のセサミンを配合したサプリメントを販売しています。
セサミンは安全な栄養素であり、摂取過多による副作用や医薬品との併用による副作用の報告はありません。
なので、他のメーカーより多量のセサミンを含んだ製品も安心してご使用いただけます。

サプリメントの多くが設定している「1日当たり10mg」のセサミンを、ゴマから摂ることはできるのでしょうか?
市販のゴマでは、セサミンを重量比0.1%程度含んでいるため、10mgのセサミンを摂るためには10gのゴマが必要となります。
これは小さじ摺り切り4杯分に相当し、ゴマ粒の数では約3333粒となります。
料理が好きな人ならそれほど難しくはない量でしょうが、料理に慣れていない人にとっては、毎日使用するのは難しいかもしれません。
そういった人はサプリメントで摂るのが便利ですし、他の栄養素も一緒に摂れてお得です。

ちなみに、ゴマ油の場合は1%程度のセサミンを含んでいるため、10mgのセサミンを摂るには1gのゴマ油で事足ります。
この程度の量だと料理で使うのはそう難しくはないでしょう。

ゴマからセサミンを摂る際の注意点

ゴマからセサミンを摂る際の注意点として次の2点が挙げられます。

食事の脂質・カロリーのバランスに気をつける

意外ですが、ゴマの重さの半分は脂質が占めているため、ゴマは同じ重さの肉や魚よりもカロリーが高い「高脂質・高カロリー」な食材です。
1日あたりの摂取量の目安である10mgのセサミンを摂るために必要なゴマの量は10gで、56kcalです。
健康のためにセサミンを摂るつもりが、脂質やカロリーも摂り過ぎてしまっては元も子もありません。
ゴマを食べる分、他の脂質を減らすなどして、食事全体の脂質・カロリーのバランスに気をつけるようにしましょう。

擦りゴマに加工する

炒りゴマは硬い殻で包まれているため、炒りゴマのままでは殻の内側に含まれているセサミンなどの栄養素を十分に吸収できません。
なので、料理にゴマを使う際には、擦りゴマや練りゴマなどの形に加工して用いるようにしましょう。
わざわざゴマを擦るのがめんどうくさいという人は、お店で購入する際に、擦りゴマを購入するのがおすすめです。

まとめ

様々な効能で人気のセサミンは、ゴマに含まれています。
市販のゴマでは、セサミンは重量比0.1%程度含まれており、品種によっては重量比1%以上ものセサミンを含むものもあります。
ゴマの色とセサミン含有量に絶対的な差はなく、同じ色のゴマでも品種によって、セサミンが多いものもあれば、少ないものもあります。

市販のゴマで、セサミンが多く含まれている製品を選ぶには、

  • ・成分表示でセサミンの量を確認する
  • ・国内栽培のセサミン高含有量を売りにした製品を探す

といった方法があります。
また、ゴマ油には重量比1%程度のセサミンが含まれており、サプリメントの多くも同水準の含有率です。
セサミンは摂取過多による副作用が報告されていないので、より多くのセサミンを摂りたいという人は、セサミンを多く含んだサプリメントを選ぶと良いでしょう。

セサミンは五大栄養素ではないため、摂取推奨値や摂取上限値が定められていませんが、サプリメーカーの多くは1日あたり10mg以上の摂取を推奨しています。
この量のセサミンを摂るのに必要なゴマの量は10g、小さじ4杯分です。
料理が苦手で毎日これだけのゴマを使うことはできない、という人はサプリメントを活用するようにしましょう。

セサミンをゴマで摂る際には、

  • ・食事全体の脂質・カロリーのバランスに気をつける
  • ・擦りゴマに加工して料理に使う

という点を心がけるようにしましょう。

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