気になるセサミンの含有量について

ゴマに含まれるセサミンは、肝機能の向上やうつ病予防、老化防止など様々な効能を持った栄養素として人気があります。
私たちがこのセサミンを摂る際には、ゴマやゴマ油、そしてサプリメントとおおよそ3通りの摂取方法があります。
それぞれの摂取方法について、セサミンの含有量はどれくらいのものなのでしょうか。
セサミンの含有量という点から、それぞれの摂取方法を比較してみましょう。

セサミンとは

セサミンは、私たちが普段食用とする植物ではゴマにしか含まれていません。
様々な効能を持っているセサミンですが、五大栄養素(人体に必須の5種類の栄養素;タンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラル)では無いため、摂らなければ生死に関わるというわけではありません。
セサミンは栄養学的には、お茶に含まれるカテキンや大豆に含まれるイソフラボンなどと共にポリフェノール類に分類されています。

セサミンの特徴としては、脂溶性(水に溶けにくく、油に溶けやすい)の栄養素であり、抗酸化作用を持つという点が挙げられます。
抗酸化作用というのは人体に有害な活性酸素(酸素が変化したもので、周囲の細胞を傷つけ、ガンや老化の原因となる)を除去する働きのことであり、ビタミンCやビタミンEなども抗酸化作用を持っています。

ゴマには、セサミン以外にもセサミンとよく似た構造・働きを持つセサミノール、セサモール、セサモリンなどの栄養素が含まれています。
これらの栄養素とセサミンを合わせて、「ゴマリグナン」と言います。

セサミンの摂り方

初めに述べたように、セサミンは身近な食材の中ではゴマにしか含まれていないため、セサミンを摂るには、ゴマかゴマから作られるゴマ油、そしてサプリメントから摂るしかありません。

ゴマそのものから摂る

セサミンはゴマに含まれていますが、セサミンの含有量は、ゴマ1gあたり0.67~6.35 mgと大きく幅があると、アメリカの論文では報告されています。
ゴマは表面を覆う殻の色によって、白ゴマ、黒ゴマ、金ゴマの3種類に大別されますが、これらの色の違いによってセサミンの含有量に差が出るわけではありません。

健康食品の広告で「黒ゴマは他のゴマよりもセサミンを多く含んでいて栄養価が高い」などの宣伝文句をよく目にしますが、セサミンの含有量はゴマの品種によって変わってきますから、間違った文章ということになります。
セサミンを多く含む黒ゴマがあれば、セサミンが極端に少ない黒ゴマもあるのです。

先ほどご紹介したように、ゴマ1gあたりには0.67~6.35 mgのセサミンが含まれていますから、市販のゴマの場合、重量の約0.1%以上をセサミンが占めていると考えて問題ないでしょう。

ゴマ油から摂る

ゴマ油では、重さの約1%をセサミンが占めています。
ゴマの時よりも含有率が大幅に上がっているのは、ゴマ油を作る過程で、ゴマの殻などが取り除かれているからです。

ゴマ油には、茶色で風味が強い、いわゆる「ゴマ油」と、白色透明で無臭の「太白ゴマ油」の2種類があります。
見た目がだいぶ異なりますが、原料のゴマを焙煎しているかどうかしか違いはありませんから、セサミンの含有量に大きな違いはありません。
ただし、ゴマリグナンの一種セサモリンは焙煎によってセサモールに変わるので、茶色のゴマ油と太白ゴマ油で含有量は変わります。

サプリメントから摂る

セサミンを最も手軽に摂ることができるのがサプリメントです。
上でも述べたように、セサミンは人体に必須の五大栄養素ではありません。
生きていく上で必要不可欠な五大栄養素に関しては、厚生労働省やWHOといった公的な機関が摂取目安量を定めていますが、セサミンは五大栄養素ではないため、公的な機関によって摂取目安量が定められていないのです。

しかし、代わりにサプリメントメーカー各社が独自に摂取目安量を設定しており、大半のメーカーは1日当たりの推奨摂取量を10mgとしています。
メーカーによっては、10mg以上のセサミンを含んだ「高濃度セサミン」を売りにした製品もあり、中には40mgものセサミンを含む製品もあります。

どの摂り方が良いか

セサミンの摂り方として、ゴマ、ゴマ油、サプリメントの3種類を見てきましたが、どの摂り方が最も良いのでしょうか。

調理に慣れている人はゴマやゴマ油を使おう

日常的にゴマやゴマ油を料理に使っているという人にとっては、サプリメントをわざわざ買う必要はありません。
一般的なサプリメントに含まれているセサミンの量(10mg)を摂るのに必要なゴマやゴマ油の量を考えてみましょう。

仮にセサミンの含有率が0.1%のゴマで10mgのセサミンを摂るには、10gのゴマが必要です。
また、セサミンの含有率が1%のゴマ油では、1gが必要になります。
10gのゴマといえば炒りゴマで小さじ4杯程度の分量ですし、ゴマ油ならば小さじ1/4杯で事足りてしまいます。
この数字からも分かるように、普段から調理に慣れている人は、ゴマやゴマ油を使った料理から十分にセサミンを摂ることができるのです。

忙しい人はサプリメントがおすすめ

しかし、誰もが調理に慣れているわけではありませんし、仕事が忙しくてとても料理を自分で作る時間なんて無いという人も少なくないでしょう。
そういった人にとってはサプリメントで摂るのが良いです。
サプリメントならば、1日分のセサミンをたった数錠のカプセル・錠剤を飲むだけで摂ることができますし、製品によってはセサミン以外の栄養素も同時に摂ることができます。

大事なのは継続して摂ること

一番大事なことは、セサミンの摂り方ではなくて、セサミンを毎日継続して摂るということです。
セサミンは医薬品ではありませんから、一度飲んだだけで健康問題を解消するというものではありません。
毎日継続して摂ることによって、身体を少しずつ良い状態にしてくれるものなのです。
なので、自分の生活スタイルや性格を考えたうえで、毎日継続できる方法を選ぶのが良いでしょう。

まとめ

セサミンを摂るには、ゴマやゴマ油、サプリメントの3種類の方法があります。
ゴマの場合、1gあたり0.67~6.35 mgとセサミンの含有量に幅があります。
白ゴマや黒ゴマ、金ゴマといった殻の色ではなく、個別の品種によってセサミンの含有量は決まりますので、「黒ゴマの方が白ゴマよりもセサミンを多く含んでいる」というような宣伝文句は間違っています。

ゴマ油の場合は、セサミンの含有率は1%程度です。
ゴマ油には、茶色のいわゆる「ゴマ油」と白色透明・無臭の「太白ゴマ油」の2種類がありますが、セサミンの含有量については変わりません。

サプリメントの場合は、多くのメーカーで1日あたりの用量に10mgのセサミンを含んでいますが、中には40mgものセサミンを含んだ製品もあります。

どのセサミンの摂り方が良いかは、人それぞれの生活スタイルや性格によって変わってきます。
調理が得意で、毎日自分で料理を作るという人は、ゴマやゴマ油を料理に使えば簡単にサプリメントに含まれる分量のセサミンを摂れますから、わざわざサプリメントを購入する必要はありません。
一方、料理が苦手という人や、調理する時間もないほど忙しいという人はサプリメントでセサミンを摂るのが良いでしょう。
大事なことは、セサミンを摂る方法ではなく、セサミンを毎日継続して摂るということなのです。

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