セサミンの吸収率を上げるには?

ゴマに含まれるセサミンは、肥満予防や肝機能の向上など多くの効能を持っており、最も人気がある栄養素の一つです。
このセサミンは、ゴマやゴマ油、サプリメントなどから摂ることができますが、セサミンの吸収率を上げるにはどのようにすれば良いのでしょうか?それぞれの摂取方法別に見ていきましょう。

セサミンの吸収

ビタミンやミネラル、ポリフェノールなど栄養素には様々な種類がありますが、水と油のどちらに溶けやすいかによって、水溶性の栄養素と脂溶性の栄養素に区別されます。
セサミンは、脂溶性の栄養素であるため、水には溶けにくく、油によく溶けます。

食事に含まれる栄養素の多くは胃や腸で吸収されるのですが、セサミンの場合は肝臓の門脈で吸収されて、ほとんどが肝臓で働くことになります。

ゴマで摂ったセサミンの吸収率を上げる方法

セサミンはゴマの殻の内側に含まれているため、市販の炒りゴマのままでは、十分に消化されない可能性が高いです。
そのため、「擦りゴマ」や「練りゴマ」といった殻を潰す加工をする必要があります。

また、先ほど述べたように、セサミンは脂溶性の栄養素ですから、油を使った料理のトッピングにゴマを用いることで、油の中にセサミンが溶けて、より吸収がしやすくなります。
その点では、胡麻ドレッシングは理想的な調理例と言えるでしょう。

ゴマ油で摂ったセサミンの吸収率を上げる方法

ゴマを搾油して作られるゴマ油にも当然セサミンは含まれています。
硬い殻が取り除かれている分セサミンの含有率は、炒りゴマよりもゴマ油の方が高いです(ゴマが重量比0.1%程度に対してゴマ油は重量比1%程度)。
ゴマ油の場合、油の中にセサミンが溶け込んでいるため、含有率の高さも相まって、セサミンの吸収効率はゴマよりも高いです。

ゴマ油に溶け込んだセサミンの吸収効率を上げるためには、ゴマ油自体の吸収効率を上げる必要があります。
脂質のほとんどは十二指腸で吸収されますが、これには胆汁や膵リパーゼといった消化液・酵素が関わっています。
胆汁の分泌を促進する杜仲茶を温めて飲む(冷たいと内臓を冷やしてしまいかえって消化の妨げとなります)、水溶性食物繊維を摂ることで腸内の古い胆汁を吸着・排出し、新しい胆汁の分泌を促すといった方法で、ゴマ油の吸収効率を上げることができます。

サプリメントで摂ったセサミンの吸収率を上げる方法

サプリメントは、セサミンがそのままの形で配合されているため、吸収効率はかなり高いと言えます。
なので消化効率を上げるというよりは、いかに消化効率を下げないようにするかということの方が重要です。

よく、数回分の用量を一度に飲む人や、複数種類のサプリメントを同時に飲む人がいますが、これは消化効率を下げる行為なのでしないようにしましょう。
サプリメントに含まれる栄養素は微量のものが多く、そのままでは飲みにくいため、増量剤などの添加物が加えられています。
しかし、複数のサプリメントを一度に飲んでしまうと、添加物の量が多すぎて、かえって消化不良を起こしてしまうのです。

もし、「セサミンを多く摂ってみたい」「セサミン以外の栄養素も同時に摂りたい」というのであれば、1回の用量により多くのセサミンを含んだ製品や目的の栄養素とセサミンがミックスされた製品を探すようにしましょう。
また、複数のサプリメントを併用するのであっても、飲む間隔を空けることで消化不良を防ぐことはできます。

まとめ

様々な効能で人気があるセサミンは、ゴマやゴマ油、サプリメントなどから摂ることができます。
セサミンをゴマで摂る際には、消化の妨げとなる殻をすり潰して、擦りゴマや練りゴマにすると消化効率が上がります。

セサミンをゴマ油で摂る際には、ゴマ油そのものの消化効率を上げるのが有効です。
ゴマ油の消化効率を上げる方法としては、杜仲茶で胆汁の分泌を促す、水溶性食物繊維によって腸内の古い胆汁を吸着・排出し、新たな胆汁の分泌を促すといった方法があります。

セサミンをサプリメントで摂る際には、複数のサプリメントを一度に飲むなどしてかえって消化効率を下げないようにすることが重要です。
より多くのセサミンを摂りたい、セサミン以外の栄養素も同時に摂りたいという人は、目的に合致する製品を探したり、飲む間隔を空けるようにしましょう。

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